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アメリカの昔の新聞を読む 『Chronicling America』

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by ito

以前の記事で少しだけ触れましたが、『Chronicling America』というサイトではアメリカの昔の新聞を読むことができます。

現時点で、1836 年~1922 年の新聞 1000 紙以上、総ページ数 600 万以上が対象となっています。トップ画面からの検索では、州、年、キーワードを指定できるだけですが、[Advance Search] では日付や新聞の種類の指定、フレーズ検索なども利用できます。

具体的な日付が分かっていれば、「リンカーン大統領暗殺」「ジェロニモ降伏」「ライト兄弟初飛行」など、歴史的な出来事の記事も比較的簡単に見つけることができます。


実際に見ると分かりますが、キーワードで検索した場合は検索ワードがハイライト表示されます。また、記事の上部にはツールバーのような機能もあり、拡大縮小、新聞内のページ移動、テキスト/PDFファイルでの表示などもできるようになっています。

ちなみに上記ライト兄弟の記事では、同じページに日本に関する記事もあります。タイトルが『Mikado Will Send an Army Into Korea』で、ロシアとの交渉が云々という内容です。1903 年 12 月なので、まさに日露戦争開戦前夜という状況です。左上には 3 人の日本人の写真があり、SENIOR FIELD MARSHAL YAMAGATA、FIELD MARSHAL OYAMA、COUNT INOUYE とあるので、それぞれ山縣有朋、大山巌、井上馨のようです。

さらに [Recommended Topics] のページでは、おすすめ記事としてまとめられた内容を、アルファベット順、カテゴリー別、日付順で表示できます。

少し検索してみるだけでも気になる記事がたくさん出てきますが、今回は翻訳に関係する記事をいくつか探してみました。


TROUBLES OF TRANSLATORS.
The difficulty of avoiding "howlers" when one is translating from English into such a language as that of the Micmac Indians of Nova Scotia must be very great. We hear from the Bible Society of a curious case. In the first edition of St. Matthew. in Micmac, the translator found, when he came to revise it, that in Chapter xxiv, 7, instead of "Nation shall rise against nation." he had written "A pair of snowshoes shall rise up against a pair of snowshoes." And yet there was only one letter misprinted-naooktukumiksijik (a nation) having been displaced by naooktakumiksijik (a snowshoe). (以下略)

(大雑把な要約)
英語からミクマク語などに翻訳する場合は過ちを犯しがち。
聖書の翻訳で、ミクマク語(※)で naooktukumiksijik (=nation) とすべきところを、1 文字だけミスプリントで naooktakumiksiiik (=snowshoe) としてしまって全然違う意味になった、という話。
※「Micmac Indians of Nova Scotia」の言語を「ミクマク語」と言ってしまってよいかはっきり確認できませんでしたが、説明を簡略化するために「ミクマク語」としました。

似たような話は現在もありそうですが、この長い単語の 1 文字違いで nation が snowshoe になるミクマク語の単語構造の方が気になりました。


Translating Service.
Translator aid (group), $1,320, 3 at $60. $1,500.
Junior translator (group), $1,560, 4 at $60, $1,800.
Senior translator (group), $1,860, 4 at $120, $2,340.
Principal translator (group), $2,400, 3 at $120, $2,760.
Junior research translator (group), $1,560. 4 at $60. $1,800.
Senior research translator (group), $1,860. 4 at $120, $2,340.
Principal research translator (group), $2,400, 3 at $120, $2,760.

Junior translator、Senior translator などの役職ごとに数字が並んでいます。translator 以外の職業についても似たような表が並んでいますが、何の記事かというのをたどっていくと 13 ページから始まっています。タイトルが『Here Is Complete Schedule of Salary Recommendations Made To Congress』。「議会に提出された職業別推奨給与リスト」のようなものでしょうか(当時のアメリカの制度に詳しくないので誤解している可能性もあります。正確なことが分かる方はご教示いただけると助かります)。役職の後にカンマ区切りで数字が並んでいますが、これが何を表わしているのかという説明があり、
The first amount in each class represents the minimum for the respective grades.The second shows the number of periodic efficiency increases and the amount,the third represents the maximum salary.
だそうです(1番目:最低給与、2番目:昇給率のようなもの? 、3番目:最高給与)。
例えば、Translator aid だと、$1,320 から始まって、$60の昇給が 3 回あって、最終的に $1,500 になり、その後は Junior translator に昇進、ということでしょうか。
役職ごとの仕事内容や昇進するまでの期間、research が付く/付かないでどう違うのか、なども気になるところです。
当時の物価水準がよく分からないのでこの数字がどうなのかという点は判断しづらいですが、他の職業の数字と比べてみると面白そうです。


Translator Who Staggered.
A Frenchman was engaged in translating an American novel and came to a description of a man "hitching his horse to a locust , " This staggered the translator as he had never heard of the locust tree ;but he was equal to the emergency and in explanation stated that "sauterelles" or grasshoppers grew to an immense size in the United States.

(大雑把な要約)
フランス人が英語の小説を翻訳していて「locust に馬をつなぐ」という文に出会った。locust tree という木があるが(ここではその木の意味)、locust 単独だと「バッタ」の意味。この訳者は locust tree という木を知らなかったので「locust(バッタ)に馬をつなぐ」の意味が分からず困ったが、「アメリカではバッタは成長すると巨大になるよ」と説明して切り抜けた、という話。

今ではインターネットのおかげもありこのようなケースは少なくなっているかもしれませんが、無知ゆえの誤訳は誰にでも可能性があると自分に言い聞かせて、気を引き締めたいと思います。

以上、昔の新聞から翻訳にまつわる記事を 3 つご紹介しました。
キーワード「translator」で検索するだけで 20 万件近くヒットするので、面白い記事を見つけたら今後も取り上げていこうと思います(むしろこのサイトから記事を紹介するためだけの新しいブログを作れそうな気がしてきました)。

言語のギャップ

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by zaki-ni


先週、ぎっくり腰になりました。
ブロック注射というものをしたらかなり動けるようになりましたが、再発しないように運動しなきゃ。

ぎっくり腰になってみると、「ぎっくり腰」という表現はなかなかぴったりなことがわかります。
ぎっくり腰になる瞬間の音だけを考えると、「パッキリ腰」とか「ぽっきり腰」でもしっくりくるのですが、
「ぎっくり腰」には、音がした後の気持ちもうまく反映されていると思います。

ちなみに英語では、ぎっくり腰を次のように表現するようです。

1. I slipped my disk.(椎間板ヘルニアになった)
2. My back went out.(腰が動かない!)
3. I've strained my back.(腰を痛めた)

腰も背中もbackなんですね。

ぎっくり腰 = 椎間板ヘルニアというわけではないので、1. の表現はイマイチです。
背中も腰もbackであらわすと、背中の筋肉痛なんかも 2. や 3. で表現されてしまいそうです。
2. や 3. では、せめて back を lower back と置き換えないと、誤解されそうです。

こんなふうに、ある言語から別の言語に訳そうとした場合に、必ず言葉間のギャップに悩みます。
上の例でいえば、腰とbackは完全に同じものを指すわけではなく、腰はbackに含まれています。

どう言えば正確に伝わるのか考え、言葉をひねることは、翻訳者にとっては楽しいものですが、言語と文化のギャップから常に完全に伝えることは難しく、 どこかで妥協しなければならないことも多くあります。

なにはともあれ、普段座ったままのお仕事が多い翻訳者のみなさま、腰痛にはお気を付けください。


翻訳の「コメント」

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by fukazawa

先日、フィンランド映画『旅人は夢を奏でる』を見てきました。ヘルシンキに住む有名ピアニストのもとに、3歳の時に別れた実の父が 35 年ぶりに現れ、2 人は北へ向かって車で旅をすることになります。フィンランドのあちこちに住んでいる家族を 1 人、また 1 人と訪ねていくと、ピアニストの彼が知らなかった事実が・・・というストーリーです。

この映画で、主人公がぽつりと一言「Anteeksi...」という場面があります。英語を話すとき、日本人は「Excuse me.」のつもりでつい「I'm sorry.」と言ってしまいがちですが、フィンランド語は「Anteeksi.」 1 語に「Excuse me.」と「I'm sorry.」の両方の意味があるので、相手を困惑させる心配はなさそうです。

さて。今日は翻訳につきものの「コメント」についての話です。

翻訳するときは、翻訳中に気が付いたことをコメントとして記録します。レビューをするときは、翻訳者のコメントを踏まえてレビューし、クライアントに申し送りする必要のあるものを提出用のコメントシートにまとめます。このコメント、どんな基準でどこまで書くか、難しいなぁと思うことがあります。

【1】いろいろな訳が考えられる用語や定訳が決まっていない用語について、自分が使用した訳語
【2】提供されている資料では訳語が見つからなかった製品名、機能名、UI
【3】原文が間違っていると思われる箇所とその訳、可能な場合は想定される「正しい内容」
【4】参照した資料や Web サイトがある場合は、書籍名や URL など
【5】何を意味しているのかいまいち理解できなかった、または訳がこれでいいのか気になる表現や文章
【6】その他、気が付いたこと

このような基準でコメントをつけているのですが、【5】の『何を意味しているのかいまいち理解できなかった、または訳がこれでいいのか気になる表現や文章』はコメントしづらく思うことがあります。いくつも書いてしまったら、この人の翻訳は怪しいと思われるんじゃないか、と。

しかし、いろいろ調べて日本語の表現を工夫しても腑に落ちないところは、やはりコメントしておいたほうが良いと思います。自分が翻訳する場合は、レビュアーが解決できるかもしれないし、お客様に確認しないと分からないことかもしれないからです。時間をかけすぎず、適切にコメントできるよう、日々考えながら取り組んでいます。



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「を」のあとの読点

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by b-kun

今日は節分ですね。イベントに乗せられていると思いつつ、買ってしまうのが恵方巻き。今年の恵方は「東北東」ですよ。
こんにちは、b-kun です。
シーブレインに入社する前のことですが、翻訳クライアントの担当者から、「「を」のあとに読点を"付けてはいけない"ので、付けないように」という指示がありました。

読点の打ち方には基本ルールがありますが、「「を」のあとに読点を付けてはいけない」という禁止ルールはありません。

調べてみると、「「を」のあとには読点を付けてはいけない」と教える学校の先生がいるのだとか・・・

小学校低学年には「「を」のあとには点を付けない」と端的に教えたほうがわかりやすいのだと思いますが、大人になってからもこの「教え」を文法上の禁止ルールと信じている人が結構いるようです。
言葉を教えるのは難しいですね。

「を」のあとに読点を打つ例:
1) 係り受けの関係を持つ複文で、読みやすさや理解を助ける
2) 目的語を列挙した文 (目には目を、歯には歯を)

ちなみに、「を」の説明の仕方には地域性があるのをご存知ですか?
横浜の小学校では、助詞の「を」を「くっつきの「を」」と教えていますが、地域によっては「重たい「を」」、「難しい方の「を」」、「ワ行の「を」」、「何々「を」の「を」」、「つなぎの「を」」、「かぎの「を」」、「腰曲りの「を」」、「わをんの「を」」などと言うようですよ。

SDL Trados Studio 2011 - Export Analysis Reports プラグイン

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by zaki-san


「県」って単純に英語では「Prefecture」。フランス語でも同じ「Préfecture」なのですが、「Kanagawa préfecture」とは言わないようです。以前、英語を習っていたときにも同じ話題があったので、なんとなく「Prefecture」は使わないという意識はありましたが、フランス語の先生も同じ反応だったので、使わないほうがいいのかもしれません。ちなみにフランス語では「Région」「Département」でした。

翻訳作業を進める上でも作業管理においても解析結果は必要なものです。Trados 2007 では、テキスト形式と .csv 形式で出力されたため、手を加えることも容易で、作業の進め方に合わせてファイルごとにワード数をまとめたり、内容によってどれくらいのワード数かみたりすることができたのですが、Studio ではレポート形式で出力されるようになり、内容を簡単に変更することができなくなりました。Trados 2007 の解析結果のように簡単にセルを移動したり、マージしたり、手を加えたりしたい!! ということで無料のプラグイン「Export Analysis Reports」の使い方です。

使い方は簡単です。プラグインを立ち上げると Studio 上のプロジェクトが表示されます。ファイルを保存する場所と言語を選択し、「Copy to CSV files」ボタンをクリックすると .csv 形式の解析結果が出力されます。
とても簡単なのですが、Studio 上にプロジェクトがないと、プラグインを立ち上げても「Select project」にプロジェクトは読み込まれません。私の場合、プロジェクトを作り、見積りや翻訳手配が終わったらすぐに Studio からプロジェクトを削除してしまうので、プラグインを立ち上げても全然プロジェクトが存在せず、どうやって「Select project」にプロジェクトを読み込むのか随分悩みました。いつトライしてもプロジェクトが来ない...。
Studio 上で最後に解析処理し保存されたプロジェクトをプラグインが自動的に読み込むってことでした。

プラグインを立ち上げたあとにプロジェクトが表示されないときは、Studio にプロジェクトがあるのか確認し、あっても読み込まれないときは一度 Studio を終了して、立ち上げなおしてから、プラグインを開くと表示されます。
最後に、このプラグインで出力した解析結果に、「コンテキスト一致」と「クロスファイルの繰り返し」は出力されません。必要な場合は、ちょっと入力が必要かもしれません。

prescriptivismとdescriptivism

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by tanaka

プレスクリプティ……早口言葉のようですが、それぞれ「規範主義」や「記述主義」などと訳されるようです。言葉の使い方について保守的であり、規範に従うべきであるとする立場がprescriptivismで、言葉の使い方についてリベラルであり、正しいとか間違っているとか言えるものではないとする立場がdescriptivismだというような違いがあります。日本人にとっては、prescriptionは「処方箋」、descriptionは「記述」として知られているのではないでしょうか。それと同じような感じだと思います。
これらの概念は、英語にかぎって使われるものでもないのだと思いますが、アメリカ英語について述べている文章で存在を知りましたし、Webで検索するとやはりアメリカ英語関連のサイトがヒットすることが多いようです。そういったわけで、どうやらアメリカの人はこの問題に関心が強いようです。先ほど「保守」と「リベラル」という説明を用いたのもそのためです。
そもそも辞書は性質的にdescriptivismに傾くはずであるから、prescriptivismの手引きが欲しいのであればusage guideと呼ばれる類の本を参照すべきだ、とも言われるようですが、新しい辞書が出るたびに、どの程度descriptivism寄りであるかということを確認せずにはいられない人もいるようで、かつて特にやり玉に挙げられることが多かったのがirregardlessという単語だそうです。
しかし今となっては大体の辞書にはirregardlessが載っているようです。コンピュータで検索できることが増える一方の世の中では、prescriptivismは劣勢にならざるを得ないのではないでしょうか。翻訳に関しては、ときにはdescriptivistのような広い心で原文を読んで、しかし基本的にはprescriptivistのように、あまりくだけていない訳文を書かないといけないようですから、二重人格のような態度が要求されるわけで、精神衛生的にはあまりよろしくないのかもしれません。

untranslatable words

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by ito

他の言語に翻訳しづらい単語を「untranslatable words」などと言って、ネット上で紹介されているページをよく見かけます。それらの単語は、ソース言語の単語が表す概念が独自の文化的背景から形成されたもので、ターゲット言語に同じ概念が存在しない、というケースが多いようです。


例えば、だいぶ前の記事ですが、BBC が言語学者約 1,000 人を対象に行った調査の結果では、コンゴで使われているルバ語(チルバ語、キルバ語とも)の ilunga という単語が 「最も翻訳が難しい単語」 に選ばれたそうです(この単語の意味は「一度目はどんな悪口でも許し、二度目には我慢し、三度目は決して許さない人物」だそうです)。
これはこれで興味深く、このような複雑な文化的背景を持ってそうな単語を知ると発見や驚きがありますが、「翻訳が困難」とか「翻訳不可能」という言い方には少し違和感も感じます。

対応する単語がターゲット言語に存在しない単語は、翻訳の実務上は、カタカナ語を使用したり、説明的に訳したり、訳注を付けたりするなど、翻訳の長い歴史の中で培われてきた何かしらの方法で対応することになると思います。ilunga にしても、上記の意味が分かっているという前提だと、翻訳作業上の難易度という点では initiative や engagement とあまり変わらないのでは、という気もします(文化的背景も含めたニュアンスまで掴むのはたいへんだと思いますが)。

なので、このようないわゆる「untranslatable words」は、「翻訳不可能/困難な単語」ではなく「独自の概念を持つ単語」のような表現のほうがいいのでは、と思いそうになりましたが、「untranslatable words」として取り上げられている単語を色々読んでみると、必ずしも「ピッタリの概念が他の言語に存在しない」単語ばかりではなさそうです。例えば、Schadenfreude (ドイツ語) のように「概念自体は他の言語にも存在するが、他の言語では単語を割り当てていない」というパターンがありそうです(勝手に決めたパターンですので権威ある分類方法と違っていてもご容赦下さい_(..)_)。

以下、Wikipedia の「シャーデンフロイデ」より引用
シャーデンフロイデ(独: Schadenfreude)とは、他者の不幸、悲しみ、苦しみ、失敗を見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。ドイツ語で「欠損のある喜び」「恥知らずの喜び」の意味である。日本語で言う「様を見ろ」の感情であり、日本でのシャーデンフロイデの類義語としては「隣(他人)の不幸は鴨(蜜)の味」、同義の「メシウマ((他人の不幸で)飯が美味い)」という俗語が近い物として挙げられる。

このように、同じ状況に対して単語を割り当てたり割り当てなかったりという違いや、カエルが池に飛び込むのを見てある国の人が「風流」という感情を抱いたり別の国の人は何も感じなかったり、といった違いがあるので、その原因や具体例をもっと調べてみると面白そうです。

以下に、「untranslatable words」を紹介しているサイトをいくつか挙げておきます。

11 Untranslatable Words From Other Cultures

20 awesomely untranslatable words from around the world

Untranslatable Emotions in Languages Other Than English

15 FANTASTIC UNTRANSLATABLE WORDS

The Untranslatable Words Database

10 Untranslatable Words (And When You'll Want to Use Them)

Ten Most Difficult Words to Translate

9 Foreign Words the English Language Desperately Needs

15 Wonderful Words With No English Equivalent

European Untranslatable Words

How many words are there for 'camel' in Arabic?

There really are 50 Eskimo words for ‘snow’

TMの内容を Microsoft Excel で確認する方法

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by hirama

先日、引越しを機に無線ルーターを購入しました。が、なんだか設定がうまくいかず、結局有線のままケーブルにつまづきながら暮らしています。無線環境、良いなあ。

TM の標準規格は tmx と言い、tmx には<原文>-<訳文>のペアなどが含まれています。翻訳支援ツールによっては tmx を基にした独自の拡張子のTMを使用しているものもありますね。

tmx については過去につぼログでご紹介していますが、今回は tmx ファイルの内容を Microsoft Excel で確認する方法をご紹介します。
ちょっとフィルタリングして条件に合う件数を確認したいときや、なんとなく大体の中身を見ておきたいときなどに便利です。


手順はとても簡単です。

まず、対象の tmxファイルを用意します。

次に、Apsic Xbench を起動します(Apsic Xbench についても過去につぼログでご紹介しています。1234)。

[Project] - [New] を選択します。

[Add...] をクリックします。

[TMX Memory] を選択し、[Next] をクリックします。

[Add File...] をクリックして、用意した tmx ファイルを読み込み、ほかの項目はデフォルトのままプロジェクトを作成します (この段階で、Xbench の機能により、正規表現などを使ってTMを検索できます)。

続けて、[Tools] - [Export Items...] を選択します。

[Output] グリッドで [Format] を [Tabbed Text File] に変更し、出力パスを指定します。ほかの項目は任意に設定し、[OK] ボタンをクリックします。

ファイルが生成されるので、Microsoft Excel で開きます。


このとき、ファイルを Microsoft Excel の画面にドラッグしたり、[ファイル] - [開く] で選択すると、セグメントの途中でセルが分かれてしまうことがあります。
Microsoft Excel で一度空のブックを開いてから、データのインポート機能 ([データ] ペインで [テキストファイル] を選択し、ウィザードで [カンマやタブなどの...] を選択) を使うと、綺麗に分かれて表示されます。


★Trados Studioの場合
Trados Studio の機能で sdltm ファイルを tmx ファイルにエクスポートして、上記の手順を同じように実行できます。

★Trados 2007 の場合
Trados Workbench の機能で tmw ファイルをエクスポートできます。
TM を排他モードで開き、 tmx ファイルまたは txt ファイルにエクスポートして、上記の手順を同じように実行できます(txt ファイルにエクスポートした場合、Apsic Xbench でファイルを追加するときに [Trados Exported Memory] を選択します)。

★Apsic Xbench について
今回は Apsic Xbench 2.9 での手順をご紹介しましたが、Apsic Xbench 3.0 を使用すると、sdltm ファイルをそのまま読み込める上、エクスポート形式として xlsx ファイルを直接指定できます。

modify/revise/update の違い

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by zaki-ni

先週末も大雪でしたね。
前から気になっていたのですが、雪が降ったとき、植物の周りだけ雪が解けていることが多いですよね。
植物にも体温があるのではないかと思っていたので、調べてみました。

http://www.sugadaira.tsukuba.ac.jp/column/201005column.html
このページを見ると、ザゼンソウやハスの花には、発熱する機能があるそうです。
これら以外の普通の植物の体温は、気温と同程度だそうですが、生きて代謝している以上、気温より少し温度が高くても不思議ではないのだと思います。

さて、英語に関してもう一つ気になることがあったので、調べてみました。
文書を修正または変更するという場合の、「修正/変更」にあたる言葉です。
米国の方とメールでやり取りする場合、「修正/変更」には、modify、revise、update が使用されていることが多いです。
どのように違うのか、まずは英英辞書で調べてみました。
参照:OALD (Oxforf Advanced Lerner's Dictionary)

modify:
1. to change something slightly, especially in order to make it more suitable for a particular purpose

revise:
1. to change your opinions or plans, for example because of something you have learned
2. to change something, such as book or an estimate, in order to correct or improve it

update
1. to make something more modern by adding new parts, etc.
2. to give somebody the most recent information about something; to add the most recent information to something

例文なども見た結果、私なりに次のような結論になりました。
・modify は、部分的な、わずかな修正/変更をした場合に使用する。
・revise は、全面的または部分的に修正/変更した場合に使用できる。
(関連語にrevision(改訂)があることからも全面修正の場合も使用できることがわかります)
・update は、最新の情報を追加した場合に使用する。

きちんと使い分けたいと思います。

あなたとは違う人の訳

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by fukazawa

最近『キノコの歴史』という本を読みました。世界には、伝統的に菌類を好むところと、菌類を嫌うところがあるそうです。「伝統的に菌類好き」は、ヨーロッパやロシア、日本を含むアジア地域に多く、「伝統的に菌類嫌い」は、イギリスやアメリカなど、主に英語圏に多いようです。菌類嫌いにどうやってキノコを浸透させるか。ある意味ローカライズです。なかなか興味深かったです。

IT 翻訳で、普通の難易度のドキュメントを、複数の人が同時に翻訳するとどうなるだろう、と思ったことはありませんか。他の人の訳文、気になりませんか。

実際には同じ文章を複数の人が同時に訳すことはありませんが、一部が同じということはたまにあります。こういうときに良いと思った訳文と、そうではなかった訳文の違いについて考えてみました。

◆直訳調の訳文が多いか少ないか
技術的な内容まで完全に理解するのは難しいと思います。しかし、そういうときに直訳一辺倒な人と、シンプルで分かりやすい日本語になるよう意識して訳文を作っている人とでは、だいぶ違ったものになっていました。

◆漢字の使用量
よく「漢字3割、ひらがな7割」と言われますが、やはり漢字は多すぎないほうが読みやすいです。

    「この建物には、最大50人が使用可能な会議室が4部屋存在します。」
        ↓↓
    「この建物には、50人まで使用できる会議室が4つあります。」

上の文章でも正しい内容は伝わりますけどね。

◆訳文がとにかく受動態になっている
このブログでもたびたび出てきていますが、受動態が多いと分かりにくくなります。特に、人が動作の主の場合は能動態が自然です。

    「プロパティウィンドウでパラメータが設定されます。」
        ↓↓
    「プロパティウィンドウでパラメータを設定します。」


自分が翻訳した文章を、じつは他の人も翻訳していて、ほとんどその人の訳文が採用されてしまったら・・・と想像しただけで、翻訳にかかわる身としてはせつなくなってしまいます。日々精進あるのみ。


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UI (ユーザインタフェース) の 翻訳

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by b-kun


近所の梅の花が満開になりました。次は桜ですね。こんにちは、b-kunです。


以前にブログで書きましたが、UI (ユーザインタフェース) の翻訳では、翻訳テキストがソフトウェアのどの場所でどのように使用されるのかを想像しながら翻訳しなければならないことがあります。

翻訳テキストにキーやコメントが付いている場合、出現箇所をある程度想定できる可能性がありますが、翻訳テキストのみ渡されて翻訳する場合、出現箇所を想定することは難しいです。

翻訳する際、翻訳テキストがソフトウェアでどのように使用されるのかを知っているかどうかで、翻訳品質がかなり変わります。

UI 翻訳を発注するクライアント様は、可能であれば、ソフトウェアの画面イメージや実際のツールを翻訳会社 (翻訳者) に提供することをお勧めします。さらに、ツールの説明やハンズオンなども有効だと思います。

これにより、翻訳品質が向上し、製品に翻訳テキストを組み込んだ後のQA/レビューが効率化できるはずです。

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有名人の生活習慣を眺める

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by tanaka

昨年あちこちで話題になっていた『Daily Rituals: How Great Minds Make Time, Find Inspiration, and Get to Work』を読みました。サブタイトルのとおり、有名な人がどのようなスケジュールで生活していたかについての本です。作家、画家、作曲家、学者などが紹介されています。
全体を通した感想は、17世紀から21世紀にかけて人間社会が徐々にゆとりのないものになっている、朝型の人が多い、集中している時間は2、3時間という人が多い、コーヒー、タバコ、覚醒剤、睡眠薬などを濫用している人が多い、年をとるごとに睡眠障害を起こす人が増える、変なライフスタイルの人が短命とはかぎらないし規則正しいライフスタイルの人が長命というわけでもない、読書の時間と手紙の読み書きの時間が長い……といったところでした。
今はメールというと半ば忌み嫌われるものになりつつありますが、昔はそうでもなかったようです。親類から届いた手紙を家族の前で読み上げる、などという記述もあったので、コミュニケーションのあり方が今とは随分と異なっていたようです。
ひとつ気をつけないといけないのは、この本で紹介されているのはわりとうまくいった人が多いですが、うまくいかなかった人も同じように生活していたかもしれませんので、どの程度参考になるかはわからないということです。

変人奇人もそれなりに紹介されていますが、一番ひどいと思ったのはポール・エルデシュでした。エルデシュについては『放浪の天才数学者エルデシュ』という本に詳しく紹介されているのを読んだことがあったので、さすがにあれ以上の人はいなかったか、と安心しました。

ひとりひとりについてはそれほど長く書かれているわけではなく、また内容の性質上同じような記述の繰り返しになっていますので、わりと読みやすい本だと思います。興味のある人についてだけでも読んでみてはいかがでしょうか。

機械翻訳のノイズの中にも何かを見つける

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by ito

Google翻訳などのWeb上の機械翻訳が普及してきて、機械翻訳で生成されたオモシロ日本語が笑い話のタネになることがあります。まとめサイトなどでもよく取り上げられているようです。

ただ、最近では機械翻訳で多言語化対応しているサイトもたくさんあり、機械翻訳の日本語を目にする機会も増えてきたので、オモシロ日本語を目にしても、見る側もあまり過剰に反応しないようになってきたように思います。


ですので、




こんなレストランがあっても、何となく元の名前が想像できるし、




と横柄に言われても素直にここからダウンロードするでしょうし、




このようなスケジュール表も、マー君の結婚式までの予定ではなく、宿泊施設の3月の空き状況だということも少し考えれば分かります。

時には、




「えっ、ホント?」と原文のページを確認したりすることもありますが、「まあこうなるのも分からなくはない」という範囲内のことが多いと思います。

そんな中、まれに、あまりに唐突すぎて原文がまったく想像できない場合もあります。
そんな時は、自分の知らない何か新しい知識を得るチャンスかもしれません。




最初にこれを見たときは一瞬いろいろな想像が頭をよぎりましたが、落ち着いて原因を追っていくと正解はこちらでした。




これはインドで使われている英語だそうです。
ランダムハウス英和大辞典にはこの訳が載っていましたが、中辞典クラスの英和辞典だと載ってないものもあるようです(すべて確認した訳ではありませんが手元にあった2~3冊にはありませんでした)。

こうなると、「このサイトで使用している自動翻訳ツール(の設定)ではマリ共和国よりも植木職人の方が優先順位が高いのか」とか「でもマリの人は日本語で見ない可能性が高いから問題ないのかも」などと、言葉以外の面でもいろいろと疑問が湧いてきます。

尚、探してみるとWeb上には植木職人になってしまったマリ共和国がそこそこあるようです。

Trados Studio QA Checkerの使用方法①

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by hirama

「シンクライアント」を「真クライアント」と解釈していた知人がいました。
「シン」の原語は "thin"のため、意味としてはどちらかと言うと「薄い」になります。
IT系の仕事をしている人ではないこともありますが、なんでもかんでもカタカナにしてしまうとこんな可能性があるのか、と少し思いました。


翻訳で使う「スタイル」とは、全角文字と半角文字の間のスペースの有無や、英数字や各種記号は全角か半角か、などの指定です。翻訳の依頼元から「スタイルガイド」として支給され、翻訳者や翻訳会社はスタイルに従った訳文を納品する必要があります。

スタイル違反は、Trados Studioで用意されている検証ツールを使って簡単に検出できます。
すでに活用している方も多いとは思いますが、今回は、その使用方法についてご紹介します。


Trados Studioを起動し、翻訳対象のプロジェクトを開いて [プロジェクト] - [プロジェクトの設定] をクリックします。

左側のツリーで [検証] - [QA Checker 3.0] をクリックすると、項目が10 個表示されます。
ここで、目的に応じてさまざまな設定を行うことができます。

スタイルに関わる設定内容は、主に [正規表現] で指定します。

ここでは、原文または訳文、もしくはその両方が、ある正規表現のパターンに一致/不一致するかどうかに応じて、メッセージを出すように指定できます。

たとえば、「コロンは全角のものを使用する」というルールがあった場合、【半角コロンが使われている文を検出】できれば、それを修正できるので、次のように指定します。
このとき [説明] には、「××は使わない」などの禁止内容を書くよりも、「××は△△とする」など、許可されている(合わせるべき)スタイルを記載しておいた方が、エディタ画面で修正するときに便利です。
[アクション] - [アイテムの追加] を選択し、[OK] をクリックして画面を閉じます。

それでは、設定内容を確認してみます。エディタ画面で、試しに半角コロンを入力します。
[ツール] - [検証] を選択 (または F8 キーを押下) します。

該当する箇所があった場合、図のようにエラーまたは警告としてメッセージ ウィンドウに表示されます。クリックすると、対象のセグメントに移動します。


ほかにも、「全角文字と半角文字の間の半角スペースの有無」「ある用語に対して特定の訳語が使用されているかどうかの確認」など、さまざまなことに応用できます。

また、使用できない用語が使われていないかどうかを純粋に確認したい場合は、[単語リスト] が便利です。


次回は、正規表現や単語リストを一括で設定する方法をご紹介します。

Adobe PDF Reader の注釈機能

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by zaki-san

フランスのパン? croissant (クロワッサン) は、みなさんご存じかと思いますが、「croissant」には「三日月」の意味もあります。クロワッサンは三日月型ですね。おまけに「成長する」「増加する」という意味もあります。三日月がだんだん成長して満月になることから来ているのかもしれません。

PDF に注釈機能があります。PDF で納品したものに、注釈機能を使って変更指示を入れてもらい、フィードバックとして返却してもらうのが、弊社ではメインの使い方ですが、以前は PDF Reader では限られた注釈機能しか使えなかったため、注釈機能を使うには Acrobat が必要でした。Acrobat がないので PDF を印刷し、手書きで修正指示を入れ、その紙をスキャンして PDF にして送ります、ということもあります。紙にしたほうが書きやすいし読みやすいのですが、修正する側からすると、データ化された文字のほうが断然読みやすいし、修正の効率も上がります。


Acrobat でしか使えなかった注釈機能が Adobe Reader XI から充実し Acrobat と同様の機能を備えていることをご存知でしょうか? 今回は Adobe Reader XI を使ったちょっとした赤入れ方法です。紙に赤字を入れるように修正指示が入れられます。

PDF Reader を開き右端の「注釈」ボタンをクリックするとメニューが表示されます。

「描画マークアップ」機能を使うと、紙に手書きで文字を書き込むように、修正指示ができます。たとえば、一番上の左端のアイコン「テキストボックスを追加」で全体指示を入れます。

比較的簡単に読みやすい修正指示が入れられて、そのまま PDF で保存が可能です。受け取った方は修正指示として、そのま文字データをコピーし流用できることと、この状態で出力して校正用の原稿とすることもできます。また、検索で文字が拾えるので、簡単に他の修正指示を探すこともできます。

「ほのめかす」(hint/imply/implicate/insinuate/infer)

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by zaki-ni

クイーンエリザベス号が、ただいま横浜に停泊しているそうです。
大桟橋より大きそうなその船を、ぜひ見てみたいです!
さて、今回は、「ほのめかす」を意味する英単語のニュアンスの違いについて調べてみます。

◾hint(考えていることを間接的に言葉や行動でほのめかす)
意味:
something that you say or do in an indirect way in order to show sb what you are thinking
例文:
He gave a broad hint that he was thinking of retiring.
(彼は引退を考えていることは明らかだった)

◾imply(事実、感情、考えをほのめかす)
意味:
to suggest that sth is true or that you feel or think sth, without saying so directly
to make it seem likely that sth is true or exists
例文:
The fact that she was here implies a degree of interest.
(彼女がここにいたことからある程度関心があることがわかる)
Your silence implies tacit consent to these proposal.
(黙っていると、暗黙のうちにこれらの提案に同意したことになる)

上記の hint や imply は広く使うことができそうですが、次のimplicateやinsinuateは、状況が限られているので注意する必要があります。

◾implicate(悪いことや犯罪に関与していること、またはその原因になっていることをほのめかす)
意味:
to show or suggest that sb is involved in sth bad or criminal
to show or suggest that sth is the cause of sth bad
例文:
He tried to avoid saying anything that would implicate him further.
(これ以上不利になることは言わないようにした)
new evidence that implicated her in the murder
(彼女が殺人犯であることを示す新しい証拠)

◾insinuate(不愉快なことをほのめかす)
意味:
to suggest indirectly that sth unpleasant is true
例文:
The article insinuated that he was having an affair with his friend's wife.
(その記事は彼が友人の妻と不倫していることを暗示していた)

また、次のinfer は、本来、情報や状況から「推測する / 察する」という意味なのですが、和英辞典で「ほのめかす」と入力すると、inferが引っかかってくることがあります。これは、"Are you inferring that I'm a liar?"(私がウソをついているとでも言うの?) のように、inferをimplyと同様に使うことも日常ではよくあるから、という理由のようです。
でも、これはフォーマルな表現ではありません。
hint / imply(ほのめかす) と infer(推測する) は、本来使い方が大きく違うことをきちんと理解しておいたほうが良さそうです。

◾infer(事実や情報に基づいて物事を推測する)
意味:
to reach an opinion or decide that sth is true on the basis of information that is available
(non-standard)to suggest indirectly that sth is true
例文:
It is reasonable to infer that the government knew about these deals.
(政府がこれらの取引を知っていたと考えるほうが妥当だ)
If he is guilty the, by inference, so is his wife.
(彼が有罪なら、妻も有罪だと考えられる)

sth: something の略
sb: somebody の略
(出典: Oxford Advanced Learner's Dictionary



たまにはヒアリング。「Keep your goals to yourself」

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by fukazawa

今日、関東では春一番の予報が出ていました。
シーブレインは海が近く、周りに高い建物も割とあるので、ダイナミックな春一番が来るかもしれません。

ところで、春なので何か始めたいなと思って探していたら、その前に今年の抱負って何だったっけ・・・ということになっていませんか。

「目標を立てたときは人に話すといい」とよく言われています。目標を忘れてしまわないようにするためには宣言しておけばいいのかと思いきや、必ずしもそれが良いとは言えないようです。

Derek Sivers: Keep your goals to yourself


2010 年の動画です。
この中で、デレク・シヴァーズ氏は「目標は人に言わずにおこう」と言っています。

こんな実験を引用しています。
実験に参加した 163 人に、個人的な目標を紙に書いてもらいます。参加者を半分に分け、半分の人には目標を宣言してもらい、もう半分の人には目標を口に出さずにいてもらいます。その後、目標に近づくための作業を 45 分してもらうが、いつでもやめていいと言います。

目標を宣言した人は平均 33 分で目標にだいぶ近づいた気がすると答えました。目標を口に出さなかった人は 45 分を使い切っても、目標の達成にはまだまだ遠く感じる、と答えました。人に話すことで、すでに実現したかのような錯覚に陥ってしまうそうです。(人に話しても目標を達成するコツもあるのですが、それは動画で確認してみてください。)

このサイトでは、53 か国語の Transcript も見ることができます。ディクテーションにチャレンジしたり、自分なりに翻訳してみるのも楽しいかもしれません。

"You could resist the temptation to announce your goal."

というわけで、目標はこっそりたてることにします。



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翻訳文書の使用目的と対象読者

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by b-kun


横浜のさくらの開花予想日は 3/26 だそうですよ。次はチューリップですね。
こんにちは、b-kun です。

学校英語の英文和訳では英語を日本語に正確に訳せばマルがもらえるのですが、
翻訳の場合、単に英語を日本語にするだけでは十分ではありません。

文章の内容や使用目的に合わせて、対象読者に適切でわかりやすい文章になるよう翻訳する必要があります。

かたい表現にするか/やわらかい表現にするか、専門用語を英語のままにするか/意味が分かりやすいように日本語にするかなど・・・
使用目的や読み手を意識して翻訳することで、より目的にあった文章にすることができるのです。

さらに、クライアントごとの規定文章スタイル、好みの表現、定型文書などにも合わせる必要があります。

また、翻訳ツールを使用する場合は、翻訳メモリの流用性も考慮します。クライアントからの要望で、日本語の表現が多少おかしくなっても、英語に含まれているすべての情報をそのまま訳す (何も足さない、何も引かない) ようにして、翻訳メモリの流用性を重視することもあります。

クライアントが期待する、満足できる翻訳文章を提供するために、PM/コーディネータが翻訳に必要な情報を把握して翻訳者/レビューアに正確に伝え、翻訳者/レビューアが正確で適切な「品質の良い」翻訳を行うことがとても重要です。

機械翻訳では、このようなニーズに合わせて細やかに訳し分けることはできませんが、将来的には「文章表現: やわらかく、使用目的: マーケティング」など、訳し分けオプションを選んで機械翻訳できる日が来るのかもしれませんね。

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Phonestheme

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by tanaka


語彙を増やそうとして勉強しているときに、(接頭辞+)語幹(+接尾辞)というように考えて覚えていくと語彙を増やしやすい、という話を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
inter-national-izationのように3つに切ってみると、「~の間の」「国家の」「~にする」から、どうにかこうにかして「国際化する」にたどりつける、という理屈です。わざわざわかりにくい例を選んでしまったような気がしないでもないですが、気がつかなかったことにしてこのまま進めます。
このように単語を構成する要素のことをmorphemeと呼ぶことがあるのですが、今回は、それとは少し違う概念をご紹介します。



"glitter", "glow", "glare"に共通することは……ピカピカしているということですね。しかし、glは「ピカピカしている」というような接頭語ではありませんし、「itter」「ow」「are」もmorphemeではありません。このように、成り立ちは異なるが音に似たところのある複数の単語が、なぜか似たような意味を持つことがあるそうで、このglにあたる部分をphonesthemeと呼ぶそうです。言葉が作られたり使われたりする中で既存の単語がこっそり影響を与えるのか、音自体からイメージが生まれているのか、はっきりとはわかっていないようです。
残念ながらmorphemeほど体系立てて使えるものではないので、語彙を増やすのにはあまり役立たないのではないかと思います。語彙を強化するためにphonesthemeに頼るのはやめておくことをおすすめします。

phonesthemeについて知ったきっかけは、ハリー・ポッターの悪役はVoldemort(ヴォルデモート)、アーサー王を裏切ったのはMordred(モルドレッド)、シャーロック・ホームズの宿敵はMoriarty(モリアーティ)。では、この3人の名前に共通するのは? という記事を先日読んだことでした。

答えはもちろん、「mor」ですね。morの音には、悪い奴を連想させるはたらきがあるのではないか、と紹介されています。
日本ではどうだろう、モー……モーリさんかな、と思いましたが、とりあえず毛利小五郎さんはシロだそうです。
私も仕事中に眠っているように見えることがあるかもしれませんが、それは難しいことを考えているだけなので、シロなのだと、この場を借りて断っておきます。

さて、glを嫌な感じに解釈すると、「ギラギラしている」ともとれますが、ギラギラをローマ字で書くと、giragira、あるいはgilagilaとも書くことができます。glが出てきますね。違う言語を使っていても、同じ音からは同じような印象を受ける、ということがあるようなないような……と言われているそうですが、この場合もそれにあたるようなあたらないような話なのかもしれません。

世界のいたずら、悪ふざけ 『THE MUSEUM OF HOAXES』

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by ito

エイプリルフールということでジョーク記事にしようかとも考えましたが、小洒落たネタを考えるセンスがなかったのでやめました。

代わりにこちらのサイト『THE MUSEUM OF HOAXES』をご紹介します。

このサイトでは、古今東西の様々な hoax(いたずら、悪ふざけ、でっち上げ、イカサマなど)を集めて見やすく分類しています。

大きく次の5つのコーナーに分かれています。
①The Hoax Archive
②April Fool Archive
③The Top 100 April Fool Hoaxes Of All Time
④Hoax Photo Archive
⑤Tall-Tale Creatures

①では、歴史上の様々な hoax が集められています。
古くは 8 世紀のカトリック教会のエピソードから、2009 年のコロラド気球事件まで幅広く取り上げられており、ジャンル別に見ることもできます。

②はエイプリルフールのネタに特化したコーナーです。
エイプリルフールの起源については諸説ありはっきりしないようですが、ここでも、16~17世紀の話から、Google などの企業による最近のエイプリルフールネタまで内容は多岐に渡っています。ネットの記事で「今年のエイプリルフールネタまとめ」のような形で特集されることもありますが、このサイトでは「Recurring Types of Pranks」「Regions」「Perpetrators」「Repeat Pranksters」などで整理されているので、「Repeat Pranksters」で「Google」を選択すればこれまでの Google のエイプリルフールネタを確認することもできます。懐かしいものもあるかもしれません。翻訳ネタでは『BMW Automatic Translation System』というのがありました。あまり知りませんでしたが、BMW も Google に劣らず昔からいろいろやっているようです。

③は、この中からのベスト 100 です。

④⑤は写真ネタで、未知の生物や未確認飛行物体、各種ビックリ写真などが集められています。

来年はジョーク記事を書けるようにこのようなサイトを見てセンスを磨いておこうと思います。
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